関宿まちなみ研究所では、Technical Reportとして下記シリーズに取り組んでいます。
<連載中のシリーズ>
■~痕跡を読む~
建物に残る改造の痕跡を一つ一つ読む解いていきます。
■~建物解説文の読み方・書き方~
難しく、とっつきにくい建築の専門用語の解説しています。
■~Web講座~
講演・セミナー等でお話しさせていただいた内容の記録です。
<現在研究中のテーマ>
■~文化財の保存と活用~
今しばらくお待ちください。
<投稿済みのレポート>
※投稿の新しいものからの順になっています。
ミセの間の床(ゆか) ~痕跡を読む(case4-8)~
現在、「赤レンガ商家」の前面、通りに面した部分は土足で行き来ができる土間になっています。「赤レンガ商家」は大正15年(1926)に所有者が小松家から宗石家に代わり、宗石家が当時は珍しかった誂えの靴店「宗石靴屋」を開業し […]
大戸口を探せ!! ~痕跡を読む(case4-7)~
ひとしきり町を散策していると、なんだか雲行きが怪しくなってきたので再び建物に戻ることにしました。建物の前まで戻って来てふと思ったんです。「ところで、この建物の本来の入口はどこなんだろう?」って。 「赤レンガ商家」の正 […]
建物を見渡す ~痕跡を読む(case4-6)~
「赤レンガ商家」は、赤岡町本町と江見町の境、本町側にあります。街道と、街道から赤岡小学校方面に北に入る道との角地北東側にあって、ほぼ正方形に近い敷地をしています。主屋は敷地の東側に寄せて建てられており、道路に面した残り […]
まち歩き(町と家の歴史) ~痕跡を読む(case4-5)~
case4-1からcase4-4まで気になった建物の細かい部分ばかりを見てきましたので、改めて建物全体を見渡してみたいのですが、一旦休憩ということで、「赤レンガ商家」の歴史を辿りながらまちをブラブラと歩いてみることにし […]
貫が見える土壁 ~痕跡を読む(case4-4)~
case4-3で二階の改造の痕跡を確認したとき、気になったことがありました。壁の作り方です。 この写真は、「赤レンガ商家」の土間上の吹き抜けです。長く渡された梁組も立派なものですが、壁に注目すると柱が半間おきに並び、そ […]
3か所あった二階への上がり口 ~痕跡を読む(case4-3)~
case4-1では屋内(座敷への上がり口)にあった造り付けの格子について、そして、case4-2ではその格子の前面にあった二階への上がり口について書きました。case4-3となる今回は二階への上がり口についてもう少し深 […]
二階への上がり口 ~痕跡を読む(case4-2)~
前回は写真中央の開口部に格子が取り付けられていたことを書きました。今回はその続編で、少し上(天井部分)に目を転じてみることにします。建物は引き続きの高知県香南市赤岡町の「赤レンガ商家」(旧小松与右衛門邸)です。 ※「赤 […]
座敷の上がり口に造り付けられた格子 ~痕跡を読む(case4-1)~
先日見学させていただいた町家の屋内で、格子の痕跡を見つけました。格子戸といえば、町家では外部に面する開口部に取り付けられることが普通です。古い町並みでは、整然と並ぶ格子は他に比べようもないくらいの存在感なのですが、今回 […]
セットで読み解く大戸口 吊り大戸 ~痕跡を読む(case3)~
「大戸口」(おおとぐち)とは、民家の正面にある建物への主要な出入口のことです。ここには、他より大きな建具(「大戸」(おおど))が取り付けられます。大戸は、建物の表口に設けられることから、他の建具より大きく特に頑丈に作ら […]
痕跡は建物の修復でどのように活かされるのか ~痕跡を読む(case2-5)~
4回にわたって、三重県にある歴史的建造物の勝手口周りの各部分の変化と、建物の変遷について書いてきました。最終回となる今回は、こうした痕跡を読むという作業が、実際の修復現場でどのように活かされるのかについて書くことにしま […]
勝手口周りの“変遷” ~痕跡を読む(case2-4)~
勝手口周りの各部分の“変化”が整理できたところで、これらをまとめて勝手口周りの“変遷”として捉え直しをしたいと思います。 お話を進める前に、”変化”と”変遷”の違いについて、私なりの解釈を加えておきたいと思います。辞 […]
建築当初の勝手口周りを復原してみた ~痕跡を読む(case2-3)~
前稿、前々稿でそれぞれ下の写真の黄色の破線部分の痕跡を見てきたので、最後に赤い実線の部分の痕跡を確認することにしましょう。 前もって、前稿、前々稿を確認されたい方はこちらからどうぞ。 「壁・風食 ~痕跡を読む(cas […]
井戸の水を汲むための扉 ~痕跡を読む(case2-2)~
前稿と同じ建物の同じ場所です。前回取り上げたのが赤色の破線部分で、今回はその左手、赤色の実線部分です。 前稿(赤色の破線部分の痕跡)を確認されたい方はこちらからどうぞ。「壁・風食 ~痕跡を読む(case2-1)」 ま […]
壁・風食 ~痕跡を読む(case2-1)~
「痕跡」は建物の過去から現在までの変化をたどるための物的な証拠です。建物を構成する部材に痕跡が残るということは、過去にその痕跡ができるような状態が確かにあったことを示しています。 ここは三重県内のある歴史的建造物です […]
風食 ~痕跡を読む①~
今、関宿(東海道の宿場町/三重県亀山市)にある研究所のすぐ近くで、古い建物の保存修復工事が行われています。毎日前を通りながら、修理工事が進んでいくのを楽しみに見ているのですが、ちょっと気になる“痕跡”があったのでご紹介 […]
建物の「規模」の表現法を解説
古建築の説明をする時、まず建物の大きさから説明が始まります。大きさを説明する文章にも多くの専門用語、建築独特の言い回しが現れます。ここをすら~っと通り越さないと、さらに後ろには難関が待ち受けています。 建物の規模の表し […]
「復元」と「復原」の使い分けを解説
“復元”と“復原”。どちらも“ふくげん”と読みます。辞書ではいずれも「元の位置や形態に戻すこと」で同義とされています。 一般には同じ言葉として使われている二つの用語ですが、歴史的な建造物の保存を扱う業界ではそれぞれに異 […]
建物解説文の読み方・書き方
文化財に指定されている建造物などを訪れた時、説明文の難しさに読むのをあきらめた方は多いのではないかと思います。その難しさの最大の要因は、専門用語の多さにあるのではないでしょうか。 説明を分かり易くするためには、平易な […]
Web講座 関宿の町並み保存について その3
3回目は、講座の後半です。 関宿のまちなみ保存がテーマとしてきた“生活をしながらの保存”について、そして関宿の活用について、私の思うところをお話させていただきます。 ※この投稿は、先日、コロナ緊急事態宣言下でさせていた […]
Web講座 関宿の町並み保存について その2
2回目の今回は、講座の中盤です。 町並み保存事業の具体的な内容についてお話します。 ※この投稿は、先日、コロナ緊急事態宣言下でさせていただいた関宿に関するweb講座の口述原稿を基に、うまく話せなかったこと、話しきれなか […]